HSKは、幅広いレベルの中国語学習者に対応できるよう、試験難易度の幅を広げ、各段階での学習者のニーズを満たすことを目指しました。また、単なる言語知識の測定ではなく、学習者が中国語を使って、実際にコミュニケーションを行う能力を測定、評価することを目的としています。 HSKネット試験は4つの特徴をもっています。
グローバルスタンダード
中国政府の認定試験で、世界中で通用する唯一の中国語能力評価基準です。
級別スコア評価
HSKは学習者が自分の学習段階に応じて学習し、能力診断を受けることができるように、1級から6級まで6段階のレベル設定がされています。
中国語を学習し始めたばかりから、ビジネスや留学で使用するプロフェッショナルの方まで、学習効果の測定を行えます。
また、自分のレベルを認識することで、着実にステップアップしていけるようになっています。
コミュニケーション能力
試験は、聞き取り、読解、記述のそれぞれの分野にスコア点数で表記され、中国語のコミュニケーションに必要な詳細な中国語能力の把握ができる中国語検定です。
ネット受験
日本で初めて実施される新しい試験方式です。申込期間の短縮や、開催回数の増加による試験機会の創出、紙を使用しないエコ試験などを実現できる、コンピュータによる試験です。
HSKネット試験の概要
HSKネット試験は、「聞き取り」「読解」「記述」の3つのパートから構成されています。
*1級、2級の試験には、作文力を測定する試験のパートはありません。
聞き取り | リスニングの力を測る試験 |
---|---|
読解 | 読解力を測る試験 |
記述 | 中国語の作文力を測る試験 |
級の一覧表
難易度 | 級 | 試験の程度 | 試験内容 | ||
聞き取り | 読解 | 記述 | |||
低
高
|
1級 |
中国語の非常に簡単な単語とフレーズを理解、使用することができる。(150語程度) 聞き取り、読解の配点はそれぞれ100点、合計200点。総得点120点が合格ライン。 |
試験時間約15分間(音声回数 2回) ・正誤判断 |
試験時間約17分間 ・正誤判断 |
無し |
2級 |
身近な日常生活の話題について、簡単で直接的な交流ができ、初級中国語の上位レベルに達している。(300語程度) 聞き取り、読解の配点はそれぞれ100点、合計200点。総得点120点が合格ライン。 |
試験時間約22分間(音声回数 2回) ・正誤判断 |
試験時間約22分間 ・写真選択 |
無し | |
3級 |
中国語を使って、生活、学習、仕事等における基本的なコミュニケーションができる。中国旅行の時も、ほとんどの場合において中国語で対応することができる。(600語程度) 聞き取り、読解、作文の配点はそれぞれ100点、合計300点。総得点180点が合格ライン。 |
試験時間約35分間(音声回数 2回) ・写真選択 |
試験時間約17分間 ・正誤判断 |
試験時間約15分 ・語句の並べ替え |
|
4級 |
幅広い範囲にわたる話題について、中国語でコミュニケーションを図ることができ、中国語を母国語とする者と流暢に話すことができる。(1200語程度) 聞き取り、読解、作文の配点はそれぞれ100点、合計300点。総得点180点が合格ライン。 |
試験時間約30分間(音声回数 1回) ・正誤判断 |
試験時間約40分間 ・空所補充 |
試験時間約25分 ・語句の並べ替え |
|
5級 |
中国語の新聞や雑誌が読めるだけでなく、中国語の映画やテレビも鑑賞でき、更に、中国語でスピーチすることができる。(2500語程度) 聞き取り、読解、作文の配点はそれぞれ100点、合計300点。総得点180点が合格ライン。 |
試験時間約30分間(音声回数 1回) ・会話の内容 |
試験時間約45分間 ・空所補充 |
試験時間約40分 ・語句の並べ替え |
|
6級 |
中国語の音声情報や文字情報を不自由なく理解することができ、自分の意見や見解を流暢な中国語で口答、または書面にて表現することができる。(5000語程度) 聞き取り、読解、作文の配点はそれぞれ100点、合計300点。総得点180点が合格ライン。 |
試験時間約35分間(音声回数 1回) ・会話の内容 |
試験時間約50分間 ・空所補充 |
黙読10分、作文時間約35分 ・作文 |
なぜHSKを活用した勉強法が効果的なのか?
HSKは対外的に自分の中国語力を証明できるだけでなく、資格試験を利用することで効果的な学習にも繋がります。ここでは、なぜ効果的な学習につながるのか、3つの理由をお伝えします。
1.計画的な勉強ができる
HSKは難易度別に級が分かれているので、今回はどの級に挑戦するかを決めて計画をたてることができます。そのため、いつ・どの級を受験するかを決め、まず申し込みを行うことで、その日から逆算して学習計画をたてることが可能です。ゴールの無い語学学習ですが、自分で区切りを設けながら進むことは“やる気”にも繋がります。
2.成長実感を得ることができる
自分の実力を点数で確認することができるので、「前回と比べてリスニングの点数が上がった」など、成長を定量的に把握することができます。語学学習を続けていると、自分では上達しているのかわからなくなってしまうことがありますが、客観的に伸びを実感できると、自信にも繋がり、その後の学習意欲にも大きく影響してきます。
3.体系的に学ぶことができる
HSK各級で使用される単語や文法には指定があります。そのため、目指している級の単語を一生懸命覚えると、その級の問題文に取り組んでいる時、文の中に覚えた単語がたくさん出てきて、どんどん定着していきます。これを級ごとに行えるので、単語・文法と、体系的に積み上げていくことができます。
中国語コーチング第一人者 伊地知太郎
大学在学中、北京師範大学に留学。帰国後、三菱重工業株式会社に入社。海外人事担当として100人以上の赴任サポートを経験。その後、日本で最初の語学コーチングスクールにてコーチ、マネジメント、スクール運営などを経て、一人一人が「自分の人生を自分で決める勇気」を持てるようにという想いで中国語コーチングthe courage(カレッジ)(HSKibt認定校)を設立。語学学習に加え、キャリアコンサルタント(国家資格)としてキャリア形成もサポート。中国語月刊誌への寄稿や大手英語コーチングスクール監修など実績多数。